源三窟は、塩原の歴史に浸りながら、奇妙で神秘的な自然の美を体験することができる場所です。この洞窟には、日本の歴史とロマンが息づいています。源有綱、源義経とともに戦った戦士、壇ノ浦の戦いの後に追われて塩原へ逃れ、落人としてこの洞窟で生き抜いた男の足跡をたどることができます。
彼の生活の様子は、今でも鍾乳洞の中に感じることができます。米洗いの滝は、源有綱の運命を決めた場所として伝えられています。雨が降ると、洞窟内からの滝の水量が増え、昔の風景が蘇ります。そして、洞窟の中の滝水で米を洗ったとぎ汁が、彼の居場所を暴露し、結果として彼の命を終わらせたことが伝えられています。
洞窟の中には、地質学的な価値も豊富です。数十万年前の大噴火によって形成された塩原湖の痕跡、石灰岩地層、そして長い時間をかけて形成された鍾乳石や石筍などがあります。洞窟の中からは、古代の生物の化石や木の葉の化石も発見されており、ここは塩原の地質学的研究にとって貴重な場所となっています。
施設内には、ジオラマで鍾乳洞の生い立ちを説明しており、訪問者はこの場所の歴史や成り立ちを深く理解することができます。また、愛らしい猫「茶々」が、訪問者を迎えてくれます。織田信長の妹の長女の名前を持つこの猫は、訪問者たちの心を引き付けてやみません。
そして、洞窟の入口には、樹齢150年の欅の丸太門が立っています。この門は、那須の旧家で育った欅を使用して作られており、原木をそのままの形で使用するという、非常に珍しい手法で作られています。
塩原に訪れる際、源三窟は見逃せないスポットです。歴史、自然、ロマン、すべてが詰まったこの場所を訪れることで、日本の歴史や塩原の魅力を深く感じることができます。